猫とガジェットと自転車の小規模な生活

タイトルにあるようなネタをちまちまと綴っています。

空の境界(上)

非常に今さらではありますが、飛行機の中で読むのに良さそうだったのと、文庫化されていたので手を出してみました。(空の境界:Wikipediaによる作品解説

上中下の3巻構成となっており、中でも上巻は最も薄いページ数です。複数巻構成の書籍の場合、最も売れるのは初巻ですので、読者が飽きずに読みきれる程度のボリュームに抑えつつ、お値段も手頃に抑えるという目的なのでしょう。

内容は「格好いい物語」です。伝奇小説らしく殺人や破壊描写も多用されていますが、登場人物を非常に格好良く書くことに心を砕いています。なるほど、多感な年頃にこれを読んだとしたら、高い確率で夢中になってしまうでしょう。美男美女ぞろいで出来すぎの感は否めませんが、魅力のある物語だといって差し支えありません。

1時間半ほどで読みきりましたが、中だるみもなく、面白く読めました。菊池秀行氏の影響が強く見受けられるところもあります(橙子さんはメフィストとよく似た役どころ、キャラ設定ですね)が、ライトノベルよりも濃く、ブンガクよりも柔らかく、読者を楽しませてくれます。

空の境界 上 (1) (講談社文庫 な 71-1)