猫とガジェットと自転車の小規模な生活

タイトルにあるようなネタをちまちまと綴っています。

勝手な感想:残念なUbuntu本

Amazonをはじめとするオンライン書店を「Ubuntu」で検索すると、大抵の場合でトップに出てくるのが「Ubuntu 徹底入門 The Official Ubuntu Book 日本語版 (DVD付)」という本です。
Ubuntu Japanese Team
のサイトでも公式に紹介されているので、事実上これがオフィシャルな参考書ということになると思うのですが、正直、この本を購入しても幸せになれる人は非常に少数ではないかと思います。

Windowsの代替OSとしてUbuntuを知りたい人にとっては、インストール以上のことを知るには手がかりが少なく、従来の「Linuxインストール本」以上のものにはなっていません。ライセンス的にボカさざるをえないのは仕方ないとはいえ、DVDの再生や各種動画の再生方法解説、対応するプリンタの紹介と繋ぎ方、Wineを使ったメジャーどころのWindows用フリーウェア導入方法等をきちんと掘り下げ、ページ数を割いてくれていれば…。

中級者から見ても、情報量の薄さと検索性の悪さが気になります。知りたいのがピンポイントなUsageの場合、Indexからページを追いたいと考えると思うのですが、本全体がこうした「目的別」にきちんと整理されていないこともあり、欲しい情報にたどり着きにくい印象を受けました。

自分もライターの端くれですので、どういう経緯からこの本のレベルが決定したのかは朧気ながら想像することができますが、非常に無難なところに着地している現実に、どうしてもがっかりしてしまうのです。「徹底入門」なのですから、もっと初心者…つまり「Windowsからの入門者」にターゲットを絞りきり、「Windowsのこの機能はこう代替せよ」に徹してもよかったのではないか、と考えるのです。

出版関連の景気が悪い昨今ですから、「次」はないかもしれないわけで、だからこそ余計に残念な気がします。